【ダブルエントランスを持つ変形敷地の狭小住宅】

 

 

「この土地で居心地がよく快適な暮らしができる家を建てられるのだろうか…?」

変形敷地に家を建てることを検討している時には、このような不安が付きまとうものです。変形敷地と狭小敷地という条件を活かした間取りの家を建てる為にはどのような点に留意しなくてはならないのでしょうか?

変形敷地の種類と問題点

変形敷地にはいくつかの形状があります。敷地の形によって住宅を建てる為の条件が異なってきますので、手持ちの変形敷地がどのタイプにあたるのか確認しておきましょう。

旗竿地

旗の部分にあたる長方形の土地と竿の部分になる細長い土地が組み合わされた形状の土地です。長方形や正方形の土地を2軒分の土地に分割すると、奥の土地は道路に接する面の幅が狭くなり、このような形状の土地が生まれます。

変則的な敷地

三角形、五角形、台形など、正方形や長方形ではない変則的な形状の土地です。

段差のある土地や傾斜地

敷地内に段差がある土地や、傾斜のある土地は、正方形や長方形であっても変形地に分類されます。

縦横のバランスが悪い敷地

ウナギの寝床と呼ばれる細長い敷地です。

Works(株)ホープスの建築実例

変形敷地の問題点

変形敷地の住宅でおこる具体的な問題について確認していきましょう。

生活への影響

家への出入りに隣家の視線が気になる

周辺の環境にもよりますが、敷地の入り口から玄関までの部分は常に隣家からの視線にさらされている状態になるケースが多くあります。

陽当たりと風通しがわるい

周辺の環境にもよりますが、旗竿地の住宅の1階は周辺の住宅と密接している為、日当たりが悪い、周辺に家が建て込んでいる為窓が開けられず風を通せないといったケースが多くあります。

生活音が気になる

都市部の住宅では、周辺を家に取り囲まれている為、大音量で音楽を聴いたり、楽器の練習をしたりといったことがなくても、単なる生活音が騒音になってしまうことがあります。家族の話声、入浴中の水音、掃除機、クーラーの室外機など、日常的に当たり前に発生する音が、迷惑に感じることもあり、迷惑をかけてしまうこともあります。

土地への影響

防犯性が低い

変形敷地では、正方形や長方形の取りよりもどうしても死角が増えてしまい、犯罪者が侵入しやすい条件が増えてしまいます。

デッドスペースができてしまう

三角、台形などの変形敷地の場合には、用途のないデッドスペースができてしまいます。

道路に面している幅によっては駐車できない

建築上に定められている接道義務は2メートルです。つまり、道路に面する土地の幅は2メートル以上接している必要があります。ということは、旗竿地の中には、道路に偏している自宅の土地の幅が2メートルというケースも出てきます。

もし、2,6メートルの幅があれば、軽自動車なら車庫証明が取れます。普通乗用車を駐車する場合には、2,9メートル以上の幅が必要です。間口の幅が狭いにもかかわらず竿の部分を駐車場として使った場合、身体を横にしてすり抜けなければ、家にたどり着けない状況になってしまいます。間口の幅が狭いことに加えて自転車を使う家族がいれば、マイカーを駐車している時には自宅の敷地内に自転車を乗り入れることができません。また、竿の部分が長く、2台分のスペースがあったとしても、縦列駐車しかできません。

建設費用への影響

建築費用が高くなる

間口が2,7メートル以下だった場合、資材の運搬に必要な大型車が竿の部分に入れません。その結果、職人さんの手作業に頼ることになるので時間も手間もかかり、建築費用が高くなってしまうことがあります。

また敷地内や隣家の敷地との間に段差がある場合、段差が大きければ大きいほど、段差をなくすために土を盛ったり削ったりする費用が嵩みます。

外構の費用が嵩むことがある

正方形や長方形の敷地と比較すると、プライバシーの確保のためには、工夫を凝らした外構が必要です。その為、外構の方法によっては一般的な外構より費用がかさむことがあります。

生活に必要なインフラ整備が必要な場合がある

建て直しの場合には必要ありませんが、新たに購入した土地の場合、水道や電気、ガスなどの配管が届いていないことがあります。そのような場合にはそれらのインフラ整備にも費用がかかります。

変形敷地の住宅におこる生活面の問題を解決するカギ

変形敷地に家を建てる場合、間取りと外構で、生活面の問題は解決できます。規格住宅を当てはめれば、生活のしにくい問題だらけの住宅になってしまうかもしれません。しかし、不利にもなる土地の条件を活かした間取りと外構が、快適で魅力的な住宅を作り上げます。

陽当たりや風通し

2階を主な生活の場にする、窓の位置や大きさを工夫する、吹き抜けを作るなどの工夫で解決できます。

生活音と臭い

気密性、吸音性、防音性の高い建材を使う、二重窓にする、窓の位置を工夫することに加えて、周辺の家の間取りに合わせることも大切です。自宅の騒音で隣家に迷惑を掛けたくないと思い、窓を閉め切って生活することになれば、風通しの悪い家になってしまいます。隣家のトイレに面する位置にリビングを設けない、隣家の換気扇の吹き出し口の近くに窓をつけないなど、隣家からの臭いや音を防ぐ工夫が必要です。生活音以外にも、換気扇からの臭いや隣家の車の排気ガスの臭いなどは、意外に家の中に充満してしまうものです。

変形敷地の住宅におこる土地の問題を解決するカギ

家への出入りに隣家の視線が気になる

視線を遮るフェンスや、住居とつながった壁でプライバシーを確保できます。採光が遮られてしまう向きにフェンスを設置しなくてはならない場合、半透明の透明スクリーンや、ルーバータイプのフェンスもあります。ルーバータイプなら、風通しも確保できます。外構のセンスで活用しやすい魅力的な変形敷地に生まれ変わります。

デッドスペースができてしまう

デッドスペースは、家のデザインや外構の工夫で有効活用できます。子供の遊び場にする、自転車置き場にする、家庭菜園を作るなど、様々な可能性があります。外部から良く見える位置にデッドスペースができてしまう場合には、植栽や花壇にすると家の印象がより良くなります。

敷地内や隣家との間に段差がある

土を調整してフラットにする方法の他に、段差を活かした住宅や外構の設計にするという方法もあります。

Works(株)ホープスの建築実例

変形敷地に建てる狭小住宅を成功させるポイント

変形敷地に建てる狭小住宅にはたくさんの難しい問題があります。それらの問題を解決する為には、優れた設計力と豊富なアイディア、そしてそれを実行できる技術力が必要です。

規格住宅では到底作り上げることのできない充実した狭小住宅を実現する為には、痒い所に手が届くような細やかな配慮のできる建築会社の実力が必要です。

HOPESの建てる変形敷地の狭小住宅

ダブルエントランスを持つ変形敷地の狭小住宅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三角形の変形敷地に建つ狭小住宅です。
三角形の良さをプランニングに活かし、メリハリのある空間が実現しました。

 

 

 

【広々としたリビングダイニングとキッチン】

 

 

 

 

 

 

【外壁のアクセントになったカラーガラスブロック】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【内扉と玄関扉を兼ねるような大きな引き戸2 枚(ダブルエントランス)】

 

ペットと暮らす変形旗竿敷地の家

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旗竿地の旗の部分だけではなく竿の部分にも部屋を作った狭小住宅です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おもな生活空間である2階は高い天井と天窓で明るく伸びやかな空間です。】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ペットの健康に配慮した勾配の緩い階段と滑らないコルクの床】

 

 HOPEsの建てる変形敷地でも快適に暮らせる家

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしをお手伝いしたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。

変形敷地に使い勝手の良い家を建てたいというご希望があれば、ご家族にとって最も暮らしやすい家をご提案します。

悪条件が多かったとしても、敷地の形状や面積に合わせて、利便性が高く、居心地の良い空間を作り出します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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