注文住宅での照明の決め方とは?それぞれの空間に適した選び方や注意点を解説します!

注文住宅で照明の決め方を迷っている方はいませんか。
照明は家の雰囲気を決める大切な要素であり、ぜひこだわりたいですよね。
実は失敗しないための照明選びにはコツがあります。
よって今回は、注文住宅での照明の決め方について、それぞれの空間に適した選び方と注意点を解説します。

◻照明選びはどうして重要?

家づくりにおいて照明選びが重要である理由は、照明は空間の雰囲気の仕上がりを大きく左右するからです。

空間をおしゃれにするためには、インテリアを凝ったり、間取りを工夫したりと様々なアイデアが挙げられます。
その中でも、照明選びは空間の仕上がりを決定づけるものであり、その他の要素が完璧であっても照明一つで完成度は良くも悪くもなり得ます。

そのため、おしゃれな空間をつくりたい方にとって、照明選びは非常に重要なポイントなのです。

また、照明選びは雰囲気だけでなく、暮らしやすさにも大きな影響を与えます。
暗すぎたり、明るすぎたり、光が欲しい場所に光が当たらなかったりと、照明の選び方によって生活の利便性が変わってきます。

例えば、キッチンや書斎などの作業スペースにおいて照明を暗めのものにすると、手元が見づらく、作業がしにくくなることが考えられます。

他にも、内装を木材などの温かみのある素材ベースにした場合、照明が明るすぎると寒い印象が出てきてしまい、空間が調和しなくなります。

このように、照明選びは利便性や空間の雰囲気づくりなどにおいて重要な役割を果たすため、本記事を通して照明の選び方をマスターしましょう。

□照明の種類とは?

照明の種類はたくさんあるため、どれを使うべきか迷いますよね。
事前に照明の種類と用途を把握しておけば、迷うことも少なくなるでしょう。
よく使われる照明を9つ見ていきましょう。

1、シーリングライト

シーリングライトは皆さんが最もよく見かける照明だと思います。
賃貸アパートなどに初めから付いてくるのも、このシーリングライトです。
シーリングライトは部屋全体を明るく照らすのに適しています。

最近ではLEDで明るさ調整のしやすいものが主流となっています。

2、ダウンライト

ダウンライトは言葉の通り、真下を照らす照明となります。
ダウンライトのメリットとして、天井に埋め込むタイプなので空間がスッキリするということが挙げられます。
インテリア家具などを照らして目立たせることで、部屋の雰囲気が一気に出てくるでしょう。

3、間接照明

間接照明は照明器具を見せず、空間を照らすことができます。
空間の死角に照明器具を設置し壁や天井などを照らすことで、その跳ね返りを利用して部屋を照らします。
他の照明と比べて強い光ではありませんが、温かいムードや雰囲気づくりをしてくれるでしょう。

4.シャンデリア

シャンデリアは明るく照らすという役割だけでなく、インテリア性も兼ね備えている照明器具になります。
クリスタルには軽くて安価なプラスチックやアクリルが用いられることが多いです。
シャンデリアを設置するにはある程度の高さが必要となるため、注意しましょう。

5.ペンダントライ

ペンダントライトもシャンデリアと同様、上から吊り下げるタイプとなります。
ペンダントライトはキッチンやダイニングに用いられることが多い照明です。

キッチンに用いる際は、手元を灯すため小さなタイプを複数設置することが一般的です。
一方ダイニングに用いる際は、家族で食卓を囲むため大きなタイプを一つ設置することが一般的でしょう。

6.スポットライト

スポットライトは部分照明とも呼ばれ、一部分を照らすのに適しています。
ペンダントライトと違い、スポットライトは光の当てる向きを自由に変えられるため、比較的使いやすい照明です。
キッチンで手元を照らしたり、目立たせたい家具を照らしたりして使います。

7.ブラケットライト

ブラケットライトは壁に設置する照明器具で、天井に照明器具を設置しづらい場合によく用いられます。
例えば、階段の途中や吹き抜けなどに用いられることが多いです。
また、インテリア性も兼ね備えているため寝室やリビングなどのアクセントとしても用いられます。

8.フットライト

フットライトは寝室や階段などの暗い部屋で足元を照らすための照明器具です。
壁に埋め込まれているため、邪魔になったりつまずいたりすることもありません。
最近では自動で明るさや人を認識して、必要なときだけ照らしてくれるタイプが主流です。

9.スタンドライト

スタンドライトは机の上などにおいて、読書などをする際に手元を照らすための照明器具です。
手元だけでなく床なども一緒に照らすことで、間接照明としても用いることができます。
インテリア性の高いスタンドライトもあるため、おしゃれな雰囲気を出すこともできるでしょう。

□灯りの選び方について

照明器具の灯りの色は主に3種類あります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

1.電球色

電球色とは少し黄色みがかった暖かい色が特徴です。
リビングや寝室などでくつろぎたい方に向いています。
また電球色は料理を美しく見せる効果もあるため、ダイニングにペンダントライトと組み合わせて用いるのも良いでしょう。

2.昼白色

昼白色は非常に明るく白っぽい発色が特徴です。
部屋を明るく照らすため、作業をするのにも向いています。
また、屋外の色の見え方と似ているためメイクなどの外出の支度をする際は昼白色を用いると良いでしょう。

3.温白色

温白色は電球色と昼白色の中間の色にあたります。
昼白色ほどの明るさはいらないけど、電球色より明るい方が良いという方におすすめです。

また、最近では1つの電球で電球色、昼白色、温白色の切り替えができる照明器具もあるため、迷ったらそちらを検討されるのも良いでしょう。

□トイレ・玄関・リビング・寝室の照明の選び方について

トイレの照明にはシーリングライト、ブラケットライト、ダウンライトなどを用いると良いでしょう。
間接照明を用いてトイレをおしゃれに演出したい場合は、トイレの設計から考える必要があるため事前に伝えておきましょう。

玄関の照明にはダウンライト、シーリングライト、間接照明などを用いると良いでしょう。
特にダウンライトを廊下に続く動線として使うと、統一感が出てスッキリした印象を与えられます。

リビングの照明にはシーリングライト、ダウンライト、スポットライトなどを用いると良いでしょう。
特にシーリングライトは、広いリビングをまとめて照らせるのでおすすめです。
最近では色や明るさなどをリモコンや音声で調節できるタイプも増えているため自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
ダウンライトやスポットライトで目立たせたいインテリアを照らすと、落ち着いた雰囲気を演出できます。

寝室の照明にはシーリングライト、ブラケットライト、スタンドライト、フットライトなどを用いると良いでしょう。
寝室のシーリングライトは色と明るさを調節できるタイプがおすすめです。
また寝室は、シーリングライトでなくブラケットライトやスタンドライトだけでも十分な明るさを確保できるので検討してみる
のも良いでしょう。

フットライトは雰囲気づくりだけでなく、夜の転倒防止にも役立ちます。

◻︎注文住宅でおすすめの照明5種類をご紹介!

ここでは、注文住宅においてよく使用される、おすすめのライトの種類とその特徴について解説します。

1.シーリングライト

シーリングライトは照明の中でも非常に一般的で、採用されることが多い照明です。
リビングをはじめ、様々な目的の部屋で使え、汎用性が高い照明となっています。
人気の照明であるため、様々な種類や機能の物が販売されており、自身の要望に合ったものを見つけられる可能性も高いでしょう。
取り付けも簡単なものが多く、付け替えの際も自分で取り替えられます。

2.ダウンライト

天井に埋め込むタイプのダウンライトも、空間を広く見せられるという点から、注文住宅で人気の照明となっています。
あかりを照らす範囲自体は広くはなく、使用する場面を選びますが、おしゃれさと掃除の手間がかからないことが魅力的な照明です。

3.ペンダントライト

天井から吊り下げるタイプのペンダントライトは傘と呼ばれる電球を覆うパーツのデザインが豊富で、そのおしゃれさから注文住宅で選ばれやすい照明となっています。
ペンダントライトはインテリアとしても使用でき、様々な空間において利用されます。

例えば、ダイニングにペンダントライトを設置して、おしゃれな食事空間を再現したり、吹き抜けと組み合わせることで空間をよりおしゃれに見せたりすることがアイデアとして挙げられます。

4.スポットライト

スポットライトは自由に方向を変えられる照明で、おしゃれな雰囲気を醸し出せる空間演出の性能が高く人気です。
ライトの方向を変えられることから、利用シーンで光の向きや量を調整できることが魅力です。

5.ブラケットライト

柱や壁に設置するタイプのブラケットライトもデザインが豊富で、おしゃれで人気な照明の一つです。
玄関や寝室近く、リビングなどがよく設置される場所として挙げられます。

◻︎各部屋の照明選びのポイントとは?

*リビングの照明のポイント

リビングで採用すべき照明は使用用途によって異なります。
例えば、大画面でテレビや映画をよく見る場合は、シーリングライトで光の加減を調整したり、ダウンライトで映像に集中できる空間をつくったりすると良いでしょう。

作業スペースとしても利用する場合は、照明を明るいものにして、作業しやすい環境づくりを行うと良いでしょう。

*ダイニングの照明のポイント

ダイニングでは、温かみのある色の照明を設置すると料理が美味しそうに見えます。
ライトの種類に関しては、様々な種類が設置でき、ペンダントライトなどで一工夫加えた空間にしてみても良いでしょう。

*キッチンの照明のポイント

キッチンは料理や洗い物などの作業が必須の場所なので、手元が見えるように照明を設置しなければいけません。
そのため全体を照らせるダウンライトやシーリングライトと別に、手元を照らすためのスポットライトなどを採用するのがおすすめです。

*寝室の照明のポイント

寝室では眠りやすくなる照明を設置すると良いでしょう。
照明の色に関しては、温かみのある色を採り入れたり、色や明るさの調整が可能なタイプの照明にしたりするのが最適です。
例えば、明るさ調整の可能なシーリングライトを設置したり、光が直接目に入らない角度でダウンライトを採り入れたりすることがアイデアとして挙げられます。

*子供部屋の照明のポイント

子供部屋の照明は、明るい物を選ぶことがおすすめです。
明るい部屋にすることで、子供が勉強したり、遊んだりしやすい環境をつくりだせます。
照明の種類としては、広い範囲を明るく照らせるシーリングライトがおすすめできます。
子供部屋では机周りだけでなく、部屋全体で子供が行動することが多いため、広く照らせる照明を選びましょう。

□照明を選ぶ際の注意点とは?

照明を選ぶ際は照明器具の種類だけでなく、明るさも重要です。
適切な明るさにすることで、雰囲気だけでなく快適性も変わってくるでしょう。

明るさの指標として「ルーメン値」という量があります。
ルーメン値が大きい方がより強い光を放つことを示しています。

「ルーメン値」と混同しやすいのが「ワット数」です。
ワット数は消費電力を示しているだけで、ワット数が高いからと言って必ずしも光が強いというわけではないので注意しましょ
う。

また、明るさ以外に光の広がり具合も重要です。
照明の種類によって光の広がり具合は異なります。
いくら明るくても光の届く範囲が狭いと、部屋全体が暗い印象になってしまいます。
光の届く範囲を確認するには配光曲線図を利用すると良いでしょう。

また、照明器具の設置を考える際はメンテナンスのしやすさも考慮する必要があります。
設置することだけを考えて、電球を交換したり掃除したりすることを忘れていませんか。
電球などの交換のたびに業者に依頼すると費用が余計に掛かってしまうため、よく考えて設置しましょう。
もし交換が心配ならば寿命が長いLED電球を用いると良いでしょう。

□まとめ

今回は注文住宅での照明の決め方について、照明の種類やその特徴、それぞれの空間に適した選び方と注意点を解説しました。
照明にはたくさんの種類があるため、部屋に合った照明器具を選びましょう。

また、照明は選び方一つでお部屋の雰囲気や生活のしやすさを大きく左右することもわかりました。
お部屋に合った明るさや照明のタイプを選ぶことが大切になってきます。
ぜひ本記事を参考に、おしゃれで、かつ暮らしやすい家づくりを、照明選びを通して実現してください。

照明の決め方についてわからないことがありましたら、ぜひ当社にご相談ください。

 

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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