注文住宅をお考えの方へ!階段に関する様々なことを解説します!

注文住宅をお考えの方にぜひ知っていただきたいのが、階段についてです。
階段はあまり重要視されませんが、実は階段の配置で間取りが大きく変わります。
そこで今回は、階段について詳しく解説します。
注文住宅を検討中の方は、ぜひお役立てください。

□階段にはどんな種類があるの?折り返し階段についてもご紹介!


突然ですが、階段にはどのような種類があるかご存知でしょうか。
階段について詳しく考えたことがないという方が多いはずです。
まずは、日本の住宅で使われている代表的な階段をご紹介しましょう。

*直階段

一般の住宅で最も多く用いられているタイプで、その名の通り真っすぐで折り返しのない階段です。
直階段は、昇り降りしやすく、階段のスタイリッシュさを一番発揮できる形状です。
しかし、急勾配になりやすく、足を踏み外し落下してしまうと、一直線に下まで行ってしまうリスクがあります。
小さいお子様がいるご家庭では、手すりを設置すると安心して昇り降りできるでしょう。

*かね折れ階段

かね折れ階段は、途中でL字型に折れ曲がっているタイプです。
階段に合わせて間取りを決める必要がなく、設置する場所を選びません。
階段の途中に踊り場が設けられるので、一番下まで落下するリスクを軽減できるでしょう。

*折り返し階段

階段をコンパクトにひとまとめにしたい方にはぴったりの階段です。
折り返し部分が踊り場になっているタイプもあり、安全性も確保できるでしょう。

*らせん階段

らせん階段は中心の柱を軸に、ステップがらせん状になっているタイプです。
デザイン性が高く、小スペースで洗練された空間を演出できます。
らせん階段は中心に近いほど踏むスペースが狭くなるので、外側の手すりを掴んで昇降しましょう。

今回は、日本の住宅でよく使われている4種類の階段を紹介しました。
この他にも、中空き階段やフローティング階段などがあります。
各階段の特徴についてより詳しく知りたい方は、ぜひ当社にご相談ください。

□階段の位置はどこが良い?


住宅を設計する際に、ほとんどの方が重要視しないポイントが階段の位置です。
しかし、階段を配置する場所を間違えると、利便性が大きく損なわれる可能性があります。
ここからは、リビングや玄関に階段を配置する場合のメリットやデメリットについて解説しましょう。

1.リビングの端に階段を設置し、吹抜けを大きくする場合

リビングの端に階段を設けると、下階のスペースを十分に確保でき、窓から太陽の光がたくさん入り込みます。
また、吹抜けを大きくすることで、声が通りやすくなり、家族とのコミュニケーションも円滑になります。
一方で、冬は暖かい空気が天井の方に昇ってしまうため、断熱性の高い家づくりを心がけましょう。

リビングの端に階段を設ける点は同じですが、吹抜けを小さく作る場合があります。
この配置では、開放感を感じつつ、上階に寝室や子供部屋などたくさんの部屋を作れます。
また、熱が逃げるスペースが少なくなるので、吹抜けが大きい場合と比べて、そこまで断熱を意識する必要がありません。

2.リビングの中央に階段を設置する場合

来客にインパクトを与えたい方は、リビングの中央に階段を設置するのがおすすめです。
中央に階段があると360度全方向から階段を眺められ、開放感も抜群です。
しかし、階段の両側に手すりを取り付ける必要があり、また階段下のデッドスペースの利用が難しくなるでしょう。
そのため、デザインやインパクトに強いこだわりがある方におすすめします。

3.リビングではなく、玄関に階段を設置する場合

玄関に階段を設けることで、階段下のデッドスペースを収納や物置きスペースとして使えるメリットがあります。
一方で、リビングを通らず上階に行けるため、家族と顔を合わせる機会が減ってしまうかもしれません。
家族とのコミュニケーションを大切にしたい方は、リビングに階段を設置することをおすすめします。

□階段をオシャレに見せるコツを紹介


階段をオシャレに見せるには、階段を形作っているパーツの特徴を把握した上で設計することが大切です。
ここからは、階段を形作るさまざまな要素について解説しましょう。

1.落下や転倒を防いでくれる手すり

手すりをデザイン性が高いものにすると、階段の雰囲気が一気に変わります。
手すりの間隔を広げ、間にガラスを張るとペットやお子様が落下する心配もありません。
普段なかなか意識されない手すりですが、アイデア次第で住宅の印象が大きく変わるでしょう。

2.階段の段数

階段の段数も重要です。
建築基準法によって、階段の1ステップあたりの高さは23センチ以下、踏み板の奥行きは15センチ以上と決められています。
一般的に、少し緩やかな14から15段にする方が多いです。
家族が快適に暮らせるような階段を設置するためには、家族構成や間取りを踏まえて段数を決めましょう。

3.照明

階段に関係ないのではと思われるかもしれませんが、照明も階段を構成する要素の1つです。
階段の照明を考える際は、家全体の統一感を意識しましょう。
形はもちろんのこと、色や素材も確認して空間全体のテイストに合っているかを考えることが大切です。
また、階段は暗すぎると踏み外しの危険があり、明るすぎても雰囲気を損ねてしまうので、程良い明るさにしましょう。

4.階段の素材

最も悩む方が多いポイントが階段の素材です。
日本人にとって一番ポピュラーなのは木ですが、スチールの階段を選ぶ方も多いです。
木の階段は他の素材に比べて安く、住宅の雰囲気にも馴染みやすいです。
スチールは強度に優れているので、線の細いデザインを実現できるでしょう。

木とスチール以外にも、アルミやステンレスの階段があります。
アルミは軽く錆びにくいのが特徴で、ステンレスは汚れにくいです。
どれか一つの素材に統一する必要があると思われがちですが、実は複数の素材を使うことも可能です。
階段の素材を選ぶ際も、家全体のデザインテイストに合わせることを意識してください。

□階段の照明選びのポイント


階段の照明はおしゃれに見せることだけが役割ではありません。
階段に付ける照明は、役割に即している必要があります。
ここでは階段の照明を選ぶ際のポイントを見ていきましょう。

*必要な箇所を照らせているか

階段は上り下りに常に危険を伴っており、しっかりと足元が見えていないと事故のリスクが跳ね上がります。
おおげさに思われるかもしれませんが、実際に毎年、階段の落下事故で死傷者が出ているのです。

階段に照明をつける際は、明るさが足りているか、隅々まできちんと照らせるかを確認しましょう。
逆に眩しいほどでは目がくらんで危険なので、明るすぎるものも選ばないように意識してください。

*スイッチは動線上に設置

階段に設置する照明は、スイッチの位置も考えておかなければいけません。
あまり動線から離れすぎたところにスイッチがあると、不便なうえに消し忘れが多くなります。
スイッチは必ず動線上に、上下階どちらにも設置するようにするのがおすすめです。

*メンテナンスについても考えておく

照明は基本人の頭上、邪魔にならない場所に設置しますが、他の照明と違い階段は足場が水平でなく不安定です。
そのため完全に手が届かない場所に照明を設置すると、照明の拭き掃除や電球交換などのメンテナンスの時に手間がかかってしまい非常に不便です。

照明を設置する際には、メンテナンスできるか、またはメンテナンスの方法についても考えておくことで、階段の照明でも楽にメンテナンスできます。

*おしゃれに見せたいなら視界に入る高さに設置

せっかくデザイン性の高い照明を採用しても、邪魔だからと高くに設置してしまうと視界に入らずもったいないです。
階段をおしゃれに見せるためのインテリアとして照明を活用するなら、照明の高さは視界に入る程度を意識しましょう。

□安全を考えるなら人感センサーもおすすめ


もし照明のスイッチの位置がうまく設計できない、誤ってスイッチを設置し忘れてしまったなどのミスがあれば、スイッチなしの人感センサー照明を採用するのも方法の1つです。
センサー照明を採用する場合も、上下階2か所に設置しておきましょう。
上り口下り口ぎりぎりでは検知範囲を調整しづらいので、階段の上下から2段か3段ほどのところに設置するのがポイントです。

人が通るたびにセンサーが反応するのが気になる場合は、センサーの検知範囲を変更することで改善できます。

□階段におすすめの照明とは?


階段に設置する照明は、種類によって設置場所が変わります。
どのような照明がどの場所に設置されるのか理解したうえで、自分の希望に合う照明を選びましょう。

1.ブラケットライト(壁に設置)

壁に取り付けるタイプのブラケットライトは、壁が多い場所である階段で非常に採用しやすい照明で、階段との相性も良いとされています。
照明を囲うことで間接照明のように壁に明かりを当て、漏れ出た反射光で階段を照らすものが多いため、陰影や奥行きが出やすくおしゃれな雰囲気を演出しやすいのが嬉しいポイントです。

ただし照光範囲が限定的なので、複数個の照明を用意しておかないと明かりが足りないことがあります。
必要な数に応じて、統一感を意識しながら設計してみてください。

2.ダウンライト(天井に設置)

天井に埋め込むタイプの照明であるダウンライトは、天井がフラットになるので開放感を演出できます。
照光範囲はものによって異なりますが、最近は広い範囲を照らせるものも増えてきているのであまり多く設置する必要はありません。
ただし階段全体を照らすことを考えると、複数個採用しておくのが安心です。

埋め込まないタイプのシーリングライトもありますが、天井に埋没するダウンライトならほこりもあまり被らず掃除も頻繁にしなくていいのでおすすめです。
天井が高いと電球交換が大変なので、メンテナンスについては考えておきましょう。

3.ペンダントライト(天井に設置)

階段にデザイン性を持たせたいならペンダントライトがおすすめです。
天井からコードやチェーンで照明を吊るすタイプの照明であるペンダントライトは、上記で紹介したように少し視界にかかる程度の長さに調節するのがポイントです。
吊るすことで階段との距離も近くなるので、まんべんなく階段を照らせます。

4.フラットライト(足元を設置)

安全に足元を照らしてくれるのはフラットタイプの照明。
ひざ下より低い場所に設置し、置き型や横付け型など種類も豊富でデザイン性にも富んでいます。
他の照明と併用しても使えますし、センサータイプにすれば夜間の常夜灯としても活躍します。

5.間接照明

間接照明は、照明の光を壁や足元に反射させた光で明るくする照明です。
ホテルなどでよく使われる演出で、柔らかい光で一気におしゃれさを演出できます。
目に直接光が入らないので、目がくらまないのも安全です。

設置する場所は、階段の蹴込み(けこみ・でっぱりの部分)や手すりなどがおすすめです。
注文住宅で階段照明を考えている場合は、あらかじめ間接照明を仕込んでおくと自然に仕上がります。

□狭小住宅の階段は工夫が大切


狭小住宅とは、一般的に約15坪以下の土地に建てられている小さな住宅のことです。
地価の高い都心部には、このようなタイプの住宅がたくさんあります。
狭小住宅は建物も小さいため、建設コストや定期的なメンテナンス費用を抑えられるでしょう。
また、小さなお子様や高齢者がいるご家庭は、コミュニケーションをとりやすい、目が届きやすいなどのメリットもあります。

一方で、隣家との距離が近くなるケースが多いので、採光や通風を確保するために工夫する必要があるかもしれません。
狭小住宅は、土地が狭いのでさまざまな制約を受けますが、アイデア次第で快適な住空間を確保できるでしょう。
ここでは、狭小住宅の階段のアイデアをご紹介しましょう。

狭小住宅におすすめの階段は、らせん階段です。
先ほども説明したように、らせん階段の魅力の1つは、デザイン性が高いことです。
階段であることを忘れてしまうほどオシャレですし、設置することで芸術的な空間を演出できるでしょう。

また、踊り場がある階段と比較して、らせん階段はコンパクトな形になっています。
そのため、狭小住宅のように床面積が少ない住宅にはぴったりですよ。
さらに、縦に伸びるらせん階段は、それ自体が吹抜けの役割も果たしてくれます。
自然な光が降りそそぎ、明るい空間を作ってくれるため、狭小住宅でも開放感を感じられるでしょう。

□まとめ


今回は、注文住宅をお考えの方へ階段について解説しました。
階段はさまざまな要素で構成されているため、各要素の特徴をしっかり把握することが大切です。
この記事を参考に、ご家族が快適に使える階段を設置しましょう。
注文住宅でお悩みの方は、ぜひ当社までお気軽にご連絡ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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