土地下見でチェックすべきポイントをご紹介!

注文住宅を建てる際に、必ず行わなければならないことの1つに土地下見があります。
しかし、実際に足を運んでもどんなポイントを見ればよいのかわからないという悩みをお持ちの方も多いと思います。
そこで、本記事では土地下見の際に見るべきポイントをご紹介します。
是非参考にしてください。

□土地下見で見るべきポイントとは?

土地下見では、その土地を見るだけではなく、周辺環境など見るべき様々なポイントがあります。
その中でも主な要素をご紹介していきます。

*アクセスのよさ

最寄り駅やバス停までの距離や、位置を確認しましょう。
事前に入手した資料にも駅まで時間や距離が記載されていることが多いですが、実際に自分で歩いたり、土地に向かうまでの距離で公共交通機関を利用したりして確認しましょう。
実際歩くと想像以上に時間がかかることがあります。

*公共施設の有無と場所

生活していく上で欠かせない公共施設の有無や場所を確認しましょう。
例えば、交番や病院があるか、一番近くはどこなのかを調べましょう。
いざという時に必要なため、事前に公共施設との距離という観点からの下見も忘れてはいけません。

また、ゴミ置き場や学校の位置も確認必須事項です。
お子さんがいる家庭では特に学校までの距離や道のりを確認することは子どもの安全を守るために非常に大切です。
ゴミ置き場までの距離を確認すると同時に、近隣住民のごみの出し方もチェックしておくと良いでしょう。
ゴミの出し方にはその地域の治安や地域性が出ることがあります。

*周りの環境

周辺環境は住み心地に大きく関係するポイントの1つです。
普段買い物するスーパーマーケットはどこに位置しているのか、コンビニエンスストアが徒歩圏内にあるのかという点も確認できるといいでしょう。
お店だけではなく、周辺住宅や通行者を見て地域性や雰囲気を読み取りましょう。
周辺住宅やお店は地図の衛星写真でも確認できる点もありますが、実際に自分の目で足でつかんだ情報や感覚には勝てません。

また、嫌悪施設の有無も確認しましょう。
ゴミ処理場、工場、葬儀場、し尿処理場、賭博施設などが土地の近辺にあるかどうか、ある場合には影響があると思われる曜日や考えられる影響を予想しましょう。

*日当たり

土地下見で誰もが確認する項目の1つである日当たりです。
南向きや東向きという方角だけではなく、周辺の建物による影響などを確認しましょう。
朝昼夕で日当たりの良さは大きく変化しますので、何度か時間を変えて出向くといいでしょう。

*土地の高低差

道路や隣地との高低差があるか、もしある場合には、土留めがしっかり行われているかも確認しましょう。
高低差の規制する条例などに引っかかる場合があります。

*都市計画道路予定

将来、都市計画が予定されている土地でも事業が計画段階であれば販売されていることもあります。
購入すること自体に問題はないのですが、せっかく購入した後開発事業が決まると引っ越しをしなければならなくなるので注意しましょう。
道路計画予定の土地にはメリットとデメリットがそれぞれあるので、気に入った土地が街該当するのであればしっかり調べて検討しましょう。

*地歴

その土地の過去についても確認しましょう。
土地の現状を知るためにも、過去に建っていた建物によっては土壌汚染の恐れがあったり、地盤が軟弱な可能性があったりするので地歴を知っておくことが大切です。

*ガス管、水道管、下水道の設備状況

その土地の設備状況はどうなっているのか、ガス管や水道管の強度や太さは十分であるのかを確認しましょう。
不十分な場合は、自費で改修工事や設置工事をしなければいけません。
地域別に決まりや規制が設けられている場合もあります。

*建築可能面積やその他の規制

土地面積イコール住宅面積ではありません。
建ぺい率や容積率の問題が関係するので十分な建築可能面積を確保できるかどうか確認しましょう。

その他にも、地域ごとの規制や指定されている事柄があります。
例えば、防火地域であれば窓や外壁に防火対策を施す必要があります。

*災害時の想定

天災の多い日本だからこそ、万一の場合に災害に強い土地であるかを確認しましょう。
国土交通省のハザードマップポータルサイトで日本全国の自治体がハザードマップを公開しているので、参考に一度チェックしましょう。

*道幅と接道状況

法律で住宅地は2メートル以上道路に接しており、道路幅は4メートル以上確保されていますが、車の大きさや周囲の道幅によってはそれでも不便に感じる場合があります。
車をお持ちの家庭は特に道幅を測りましょう。

時間によっても変化する要素や項目があります。
気に入った土地には時間帯を変えて何度か足を運ぶことをおすすめします。

□土地探しを始める前に!3つの準備をしましょう

ここまで、土地の下見を行う際にチェックしてほしいポイントを紹介してきました。
ここでは、土地の下見に行く前にしてほしい準備を紹介します。

1つ目は、土地の希望条件に優先順位をつけることです。
まずは、土地に求める条件を書き出してみましょう。
「近所に公園があってほしい」「駅から徒歩10分以内が良い」など、家族で話し合って書き出してください。
その後、絶対に譲れない条件は何か、を考えていきましょう。

すべての条件を満たす土地を見つけるのはとても難しいため、良い物件を逃してしまう可能性も。
そのため、譲れない条件を決めて機会損失を阻止しましょう。

2つ目は、土地・住宅購入の予算を決めることです。
土地と住宅の総予算を決め、それぞれの配分を決めます。
配分は、総予算の3割が土地、7割が住宅の購入、とされる方が多いです。

この配分はあくまで目安です。
実際には、建てたい住宅の形状やデザインとのバランスも考慮して配分を決めましょう。

土地はたくさんあるので、予算決定の前に情報収集を始めるのは非効率です。
まずは価格を決めて、効率的に土地を探しましょう。

3つ目は、必ず下見することです。
最近は、ネット上でも土地探しができますが、下見は必須です。
ポータルサイトでの印象と、実際に自分の目で見る印象は違います。
気になる土地が見つかったら必ず現地を訪れ、周りの環境や日当たりのよさ、道幅など、この記事で紹介しているポイントを確認しましょう。

□余裕があればチェックしたいポイントを紹介!

土地下見で、余裕があれば是非チェックしてほしいポイントを紹介します。
ここで紹介する項目をチェックしておくと、住み始めてからの後悔を減らせるでしょう。

*近隣の住民をチェック

どれだけ理想的な住宅になっても、近隣のトラブルに巻き込まれると快適に暮らせませんよね。
土地下見の際にさりげなく挨拶し、どんな人が住んでいるのか確認してみましょう。
また、ゴミ屋敷が近くにないかもチェックしておくことをおすすめします。

*水はけをチェック

日当たりをチェックする方は多いと思いますが、水はけも重要なポイントです。
周辺の住宅や道路より低い位置にあると、わずかな高低差でも周囲の水が流れ込んで水が溜まることも。
雨の日にも土地を訪れ、水はけをチェックしましょう。

また、逆に土地が周囲より高すぎると、擁壁や段差を解消するための工事が必要になることも。
そうなると追加で費用が発生するため、土地の高低差は要チェックです。

*月極駐車場が近くにあるかをチェック

生活していくうちに、車の保有台数が増える可能性があります。
自宅の敷地に止められない場合は、駐車場を借りることになるでしょう。
できるだけ家の近くに駐車できるように、近くに月極駐車場があるか、チェックしておきましょう。

*周辺の建ち並びをチェック

周辺に建ち並びが少ないと、日当たりや風通しがよく、開放感を感じられます。

しかし、台風の時は風当たりが強くなるため、風対策が必要になります。

□いい土地が見つからない!そんな時は

ここまで、土地探し・下見におけるポイントを紹介してきましたが、今回紹介したポイントを意識して土地を探しても、いい土地に巡り合えないことも。

そんな時にできることを紹介します。

・エリアや条件を変えてみる
・古家付きの土地も選択肢に入れる
・住宅の工夫で土地のデメリットをカバーする

まずは、エリアや条件を変えてみる方法です。
最寄駅を一つ広げてみたり、条件を一つ削除してみたりするだけでも、選択肢が広がります。

次に、古家付きの土地も選択肢に入れる方法です。
更地が少ないエリアを希望する場合、古家付きの土地も検討してみましょう。

そもそも、人気の高いエリアにはすでに住宅が建っている可能性が高いです。
そのため、更地の土地よりも、古家付きの土地の方が条件を満たす可能性があります。
築年数が経って建物の価値が下がっている住宅なら、ほとんど土地の価格のみで購入できることも。

古家付きの土地なので、更地にするために解体費用が必要になりますが、解体費用を含めても更地より安く購入できる可能性もあります。
また、交渉次第で売主に解体費用を負担してもらえることもあるので、選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

最後に、住宅の工夫で土地のデメリットをカバーする方法です。
条件をすべて満たす土地を探すのは、とても大変です。

しかし、すべての条件を土地で満たさなくても、住宅の工夫次第で解決できる場合があります。
例えば、日当たりが悪い北側の土地でも、高窓を採用した住宅にすることで採光性を高められます。
他にも、都市部で希望よりも狭い土地しか見つからない場合でも、3階建てにすることで居住スペースを確保できます。

このように、住宅に工夫を持たせることで、個性のある住宅にできます。
そのため、土地に求める条件を減らし、足りない部分は住宅でカバーすることも考えてみましょう。

□まとめ

今回は、土地下見の際に確認すべきポイントについてご紹介しました。
今回紹介したもの以上に確認すべきことはあります。
時間も労力もかかりますが、満足いくマイホームを建てるために何度も足を運び確認しましょう。
土地下見の際や購入する際の参考になれば幸いです。

 

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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