免震と制震の違いをSE構法とともに解説します!

免震・耐震・制震については、多くの方はなんとなく聞いたことはあるけれども、細かい違いはよくわからないかと思います。
特に、SE構法については初めて耳にしたという方も多いでしょう。
実はSE構法と免震・耐震・制震は深く関連しています。
そこで今回は、SE構法と免震・耐震・制震について詳しく紹介します。

□ 免震・耐震・制震の定義とそれぞれの違い

この章では免震・耐震・制震それぞれの言葉の定義と、その違いについて紹介します。

*免震・耐震・制震の定義

免震とは建物や家具を地震から守ることを目的とした工法のことであり、免震住宅では建物の土台と地面の間に免震装置を設置します。
耐震とは地震の揺れに耐えることであり、耐震住宅では金具や筋交いによって補強することで耐震性を保証することに成功しています。
制震とは地面の揺れを抑えることであり、制震住宅では内壁と外壁の間に制震ダンパーとも呼ばれる制震装置を入れます。

* 免震・耐震・制震の違い

これら3種類の地震対策に関する方法の違いについて、それぞれのメリットとデメリットを紹介しながら説明しましょう。
耐震工法のメリットとしては、数十万円程度であり工事費用が安いことと地下室の設置が可能なことが挙げられます。
一方で、デメリットとしては揺れの激しさに起因する2次災害の危険性があること、繰り返しの地震によって倒壊するリスクが上がることが挙げられるでしょう。

免震工法のメリットとしては、地震で建物はほとんど揺れないので、2次災害の発生を防げることが挙げられます。
ただし、数百万円程度とコストが高く、定期的なメンテナンスが必要になります。
また、地下室を作れませんので事前に確認しておきましょう。

制震工法は免震工法と耐震工法の両方の側面を持つ工法なので、特徴としては100万円程度のコストがかかる点、耐震よりも地震に強く免震よりも弱い点が挙げられるでしょう。
制震工法の場合は地盤が弱いと導入できない点に気を付ける必要があるでしょう。

□ SE構法とは

この章ではSE構法について紹介します。
SE構法とは工学的に安全とみなされている構法のことです。
SE構法によって、それまで実現が難しかった、大空間かつ大開口の部屋や、狭小住宅におけるプランの自由度が広がりました。
例えば、大きな窓をつけるためには壁を減らす必要がありますが、従来の耐震工法では耐震性が弱くなるでしょう。

ラーメン構造により耐震性が維持されつつも、より快適な暮らしを送れるでしょう。
SE構法の革新的な点として、鉄骨造や鉄筋コンクリートにおいて主流のラーメン構法を日本の木造住宅に取り入れたことが挙げられます。

□ 耐震工法とSE構法の関係性について

ラーメン構法を日本の木造住宅にも取り入れたことによりSE構法は誕生したわけですが、この章では耐震工法とSE構法の関連性について紹介します。
SE構法は耐震工法の一種であると言えます。

しかし、従来の耐震工法のような金具などによる補強だけではなく、科学的に証明された建物の構造によって耐震機能を向上させている点が特徴的です。
それでは、具体的にどうやって木造住宅の耐震構造を向上させているのでしょうか。

その答えは、先程も軽く紹介したラーメン構法にあります。
ラーメン構法とは、構造躯体(こうぞうくたい)とも呼ばれる家を支える骨組みのうち、筋交い以外の箇所で耐震性を高める工夫を加えた構法のことです。

□ SE構法の特徴とは

この章ではSE構法の特徴についていくつか紹介します。
SE構造の1つ目の特徴として挙げられるのは、耐力壁の強度が高いことです。
ラーメン構造と耐力壁とも呼ばれる強力な壁がバランスよく設置されており、最大のコストパフォーマンスを発揮できます。

2つ目の特徴として、構造計算によって十分な安全性を担保している点です。
ラーメン構造や高耐力壁から空間設計にいたるまで、構造計算を用いた結果、安全性が十分に担保された構造部材を利用しています。

3つ目の特徴として、構造計算の安全性は東日本大震災や熊本地震などの実例を通じて証明されている点が挙げられるでしょう。
SE構造で建築された建物は、東日本大震災や熊本地震などの数多くの地震であっても壊れていません。
このことは、SE構法の理念でもあった、大地震であっても壊れない木造住宅を日本中に広めることを示しています。

4つ目の特徴として、高剛性のSF専門金物を使用しているという点が挙げられるでしょう。
絶対に緩まないSボルトや、通常の2倍もの厚みをもつ金物、そして通常よりも断面積が1.3倍広い構造用集成材を利用しています。

□ まとめ

今回はSE構法と免震・耐震・制震について、それぞれの定義と関連性を紹介しました。
SE構法は木材住宅に鉄筋コンクリートの頑丈さのノウハウを詰め込んだ発明と言えます。
今回紹介した内容が家づくりの参考になると幸いです。
新築で木造建築を検討中の方はぜひSE構法をご活用ください。

著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

Works(株)ホープスの建築実例

関連記事

SE構法の丈夫さはどのくらい?耐震等級との関連性も

「SE構法ってどれくらい頑丈なんだろう?」 「SE構法の家はどれほど地震に強いのか知りたい。」 このように考えている方はけっこういらっしゃいませんか? 新しく家を建てようと検討している多くの方が頑丈で長持ちする家に住みた […]

清野廣道の家づくり ちょっと世間話・安心の耐震性を実現!狭小住宅に欠かせないSE構法って?

「狭小住宅を検討中だけど、耐震構造など安全面が心配…」 「地震に強い住宅にしたいけど、どうすればいいかわからない」 狭小住宅をご検討の方、このようにお悩みではないでしょうか? デザイン性が高い住宅ほど、耐震性の面が不安要 […]

Homeへ