清野廣道の家づくり ちょっと世間話・狭小住宅で階段を取り入れる際のポイントをご紹介!

狭小住宅は限られたスペースを有効利用するため、2階建て、3階建て、あるいは地下室付きといった具合に、多層構造になるのが一般的です。そのため、住居内を移動するには階段が必須となります。しかし階段はそれ自体が一定のスペースを占有しますから、空間を上手に利用するには設計上の工夫が必要となります。

設計に当たってまずポイントとなるのが、そもそも何のために設置するのかということです。「上り下りするために決まっているではないか」と言われればその通りなのですが、これを明確にすることによって住宅内でのポジションが決まってくるのです。

もし、純粋に上下移動のためだけの目的で設置するのであれば、あまり日の射さない北側に作り、デザインもそれほどこだわる必要はありません。ただ、途中に踊り場を設け、そこを生活空間として活用するのであれば話は変わってきます。
これは狭小住宅でよく見られる「スキップフロア」という、1.5階や2.5階を設けることで床面積を捻出すると同時に、視覚的な単調さを回避するためのアイデアです。そのスペースをくつろぎの場などに利用するのであれば、南側の日当たりの良い方が適しています。
その他、横の壁に観葉植物を配したり絵を飾ったりして、上り下りの際に鑑賞したいという場合なども、やはり位置取り、特に窓との位置関係に気を配る必要があります。

続いては、デザインにおけるポイントです。ここではやはり、いかに室内を広く見せるかが重要になってきます。重厚なデザインだと、どうしても圧迫感が出てしまうので、できるだけ開放的な雰囲気を感じさせるよう工夫します。

狭小住宅において人気の高いデザインが、スケルトンタイプです。これは、上下のステップを縦につなぐ部分、いわゆる蹴込み板がなく、奥がそのまま見通せるようになっているものです。このタイプであれば光が通り抜けやすいので、広く感じられるばかりでなく明るさも確保できます。
その一方で、そもそも占有スペースを必要最小限に抑える、という選択肢もあります。この場合に適しているのはらせん階段ですが、変形地に建てたため住宅も変形しているというのであれば、鋭角になっている部分や湾曲している部分などにその形状にあった階段を設けるのも1つの手です。

また、階段下のスペースを上手に活用するのも室内を広く感じさせる工夫につながります。通常の住宅では収納スペースぐらいにしか使われませんが、座り作業が中心のワークステーションにしたり、AV機器の設置場所にすれば、室内全体がスッキリします。

著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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