家が完成し、暮らし始めてから後悔する家にはしたくありません。誰もが、納得できる家づくりをしよう、夢を実現させようという思いで家づくりに取り組みます。それでも、後悔する家になってしまう原因はどこにあるのでしょうか?

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室内環境と暮らしやすさのバランス

暮らしやすさの中の一つには、通勤に便利、駅から近い、買い物が便利、交通の利便性が良い、公立校のレベルが高いといった地域による条件があります。この暮らしやすさを手に入れる為には、都心部にマンションを購入する方法と、戸建ての家を建てるという方法があります。生活に対する考え方や、住まう場所へのこだわりから、マンションではなく戸建て住宅を選んだ場合、土地の価格が高額なので、狭小敷地を選択する人は少なくありません。
狭小敷地に建てる戸建て住宅は、限られた敷地内で十分な居住面積を確保する為に、3階建てになることが多くあります。ところが、3階建ての狭小住宅は、都心部では暮らしにくい家になってしまう恐れがあります。

その一つは、室内環境です。周囲を住宅やマンションに取り囲まれているので日当たりが悪く、1日中照明をつけていなくてはならない家は、室内環境が良いとは言えません。都心の狭小住宅だから仕方ないとあきらめ、1日中薄暗い建売狭小住宅を購入してしまい、精神的にも肉体的にも健康を害してしまったというようなケースもあります。
また、風通しが悪ければ、家の中の空気が淀んでしまい、カビやダニを発生させる原因になりかねません、そのような家では快適な暮らしは営めないでしょう。
そこで、狭小住宅では、吹き抜けやスキップフロア、スケルトン階段、大開口などを取り入れて、日当たりと風通しを確保します。吹き抜けで縦に空間が広がり、スキップフロアで横に空間が広がり、光と風と視線を遮らない開放的な空間が出来上がります。その為、狭さから感じる圧迫感もなくなり、暮らしやすい環境が調います。

ところが吹き抜けやスキップフロアによって、別な面での室内環境が低下してしまいます。空間が広がる為、冷暖房の効率が落ちてしまうのです。その結果、夏暑く、冬寒いという暮らしにくい家になってしまうのです。夏暑く、冬寒い家は、暮らしにくいだけではなく、光熱費も嵩んでしまいます。
その為、狭小住宅では一般的な戸建ての家より高い断熱性能が求められます。高い断熱性ののある狭小住宅であれば、空間が繋がっている分、家の中を全て暖房でき、家の中の温度差のない家が実現します。

暮らしやすさには、何種類もの条件があります。ひとつの条件をクリアしても、それによって次の暮らしにくさが生まれてしまうのです。その為、暮らしやすさを作る室内環境を総括的に考え、バランスの良い家のすることが大切です。

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設計と性能のバランス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狭小敷地では、駐車スペースを敷地内に作ることが難しい為、ビルトインガレージを作ることがあります。せっかく車があっても、自宅の敷地内に駐車できなければ、車を利用するたびに、自宅と駐車場を行き来しなくてはならず、不便です。さらに都心部では、月極め駐車場の料金も非常に高額で、区によっては月に5万円を超す地域もあります。
庭に駐車場が作れなくても、住宅に駐車スペースを組み込めれば、狭小敷地でも自宅の敷地内に駐車できるようになり便利です。ところが、横に広い家であれば、ビルトインガレージを作っても耐震性を揺るがす不安はないのですが、縦に長い狭小住宅では、耐震性が低下する恐れがあります。なぜなら、住宅を囲む4面の壁のうちの1面ががら空きになってしまうからです。

ビルトインガレージだけではなく、室内環境を調える為に採用される吹き抜けやスキップフロア、大開口も耐震性を揺るがす恐れがある設計の手法です。しかし、耐震性が守るために、ビルトインガレージや吹き抜けをあきらめれば、雨の日でも家から車に乗れない暮らし、昼間も薄暗い家、風が通らずじめじめした家になってしまいます。

狭小住宅には、狭小住宅を暮らしやすくする為の設計の手法と住宅の性能とのバランスが取れていることが重要です。その為、壁や床の面積が少なくても、確実な耐震性を確保できる工法が必要です。木造の狭小住宅にSE構法という建築工法が採用されるのは、自由な空間を作りながら確実な耐震性能を確保できる工法だからです。
SE構法とは、RC造のようにラーメン構造という構造を鉄骨ではなく、SE構法用に製造された構造用集成材を使って建築する方法で、構造計算に基づいて設計されます。過去に起きた東日本大震災や熊本地震の際に、SE構法の家は一棟も倒れていない実績があります。

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デザイン性とコストのバランス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狭小住宅では、一般的な住宅よりも断熱性や耐震性を高くしなくてはならない為、建築コストが嵩みます。それに加えて、防音性を高める必要もあります。狭小住宅特有の暮らしにくさには、道路からの騒音や、周辺の家からの生活音に悩まされるというケースもあるからです。その為、窓、壁などの防音性能を高くしなくてはなりません。高性能の窓をつける、防音効果のある外壁塗料を使う、防音機能のある断熱材を使うといった対策が必要です。

さらに、実際に工事が始まった時には、敷地に余裕がない為、外部に資材置き場を借りなくてはならない場合もあります。そうなると、資材置き場を借りる費用だけではなく、運搬の手間も加わり、建築コストが上がります。また、敷地が狭く、一般的な足場が組めない場合には、特殊な作業が必要になることもあります。

このように狭小住宅には、建築コストが嵩んでしまう条件がたくさんあります。その為、狭小住宅では、家の性能を落とさず、コストを抑えるために工夫をします。総2階建ての家にする、片流れ屋根など面の少ない屋根にするといったシンプルな家にする工夫です。家の形も屋根の形もシンプルであればあるほど、建築コストが抑えられるからです。せっかく3階建てにしても、上の階を小さく作れば、建築コストが上がるばかりではなく、居住面積が減ってしまうことは言うまでもありません。
ところが、総2階建ての家は、安っぽく見えて恥ずかしいという印象の家になってしまいかねない家ともいえるのです。反対に総2階建てでもデザインや建材によっては、シンプルでモダンな印象、魅力的な家にもなります。家全体のフォルム、窓の位置や大きさ、ファサードのデザイン、外壁の建材の質感や色などの様々な要因によって、総二階建ての家は魅力的にもなり、安っぽくて恥ずかしいと感じる家にもなります。総二階建ての家を魅力ある外観の家にするのは、住宅のデザイン性に他なりません。

建築費を抑えるため、居住面積を減らさない為に総二階建てにすることの多い狭小住宅ですが、優れたデザイン性があれば、シンプルで美しい家が完成します。
狭小住宅を暮らしやすい家、後悔しない家にする為には、室内環境を調える為の工夫と、家の性能とのバランスを考えること、大きな空間を確実に支えられる構法で建築すること、総二階建てを魅力的に見せる優れたデザイン性を持たせることが大切です。
光と風が溢れる家、夏涼しく冬暖かい家、家の中に温度差がない家、敷地内に駐車できる家、どんな地震が来ても安心な家を実現して、後悔のない快適な毎日をお過ごしください。

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HOPEsの狭小住宅への思い

 

 

 

 

 

 

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。
根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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