新築住宅が完成し、暮らし始めてみてからしまった!と思うことがあります。その中で、多くの人が感じるのは、コンセントやスイッチの位置です。使い勝手の悪い場所にある、必要な場所にはない、数が足りないなど、様々な問題が発生しやすいからです。

また、コンセントやスイッチの種類が自分たちの生活に最適ではないタイプだった場合にも、使いにくさが生じてしまいます。どこにどんなコンセントやスイッチをつければ暮らしやすくなるのかということについて考えてみましょう。

Works(株)ホープスの建築実例

配線計画の作り方

注文住宅の場合、コンセントやスイッチの位置や数は決められているわけではありません。設計段階で、コンセントやスイッチについての希望を出せます。その希望に沿って電気関係だけではなく、電話やインターネットの配線も含めた配線計画が作られていきます。

希望するコンセントとスイッチの位置の決める為には、新居での暮らしを部屋別にシミュレーションする必要があります。

全ての部屋のスイッチとコンセントのチェックポイント

  • 窓、ドアの位置と開閉方法 スイッチはドアのすぐ近くに設置するものですが、開き戸の場合は、開閉の邪魔にならない位置にしなくてはなりません。
  • 生活動線 帰宅時や、夜中暗闇で照明をつける時など、具体的なシチュエーションと動線を思い描いて決める必要があります。

リビングのスイッチとコンセントのチェックポイント 

  • 家具の位置と大きさ コンセントやスイッチが家具に隠れない場所にします。
  • リビングですること 掃除、アイロンがけなどリビングですることに必要な家電のプラグを差し込みやすい位置にします。お掃除ロボットを使う場合は、コンセントの周囲に自動で始動と帰還ができる余裕が必要です。
  • 冷暖房機器の位置と大きさ 壁付、床置きなど、冷暖房機器のタイプに合わせた位置にします。
  • 電話、テレビ、パソコンの位置と配線方法 インターネットの接続方法、電話やテレビとインターネットの接続方法に合わせたコンセントの位置を決めます。接続の方法によって異なりますが、できるだけ同じ場所に集約させる方が、コード類が混みあわずに済みます。
    テレビは壁掛け式にする、家の中の無線LANの基をリビングに作る、テレビとインターネットを接続させる、電話は光電話にするなど、家族によって接続の仕方は異なります。それぞれの家庭の接続の種類に合わせた配線計画が大切です。

クローゼットのスイッチとコンセントのチェックポイント

玄関、リビング、寝室等に大型のクローゼットがある場合、荷物が増えてくると、明るさが遮られてしまうことがあります。そのような時の為にクローゼット内に予備の灯りがつけられるコンセントを設置しておくと便利です。

Works(株)ホープスの建築実例

書斎、勉強部屋、寝室のスイッチとコンセントのチェックポイント

  • デスクの高さ パソコンやデスクライト、充電器を繋いでも足元がごちゃごちゃしないよう、デスクの高さを基準にした位置にします。
  • 家具の大きさと位置 デスク、本棚、ベッドなどの家具に隠れない位置にします。ベッドサイドにブランケットライトをつける予定であれば、ライトをつけたい位置に、サイドテーブルにスタンドを置くつもりであれば、サイドテーブルの位置に合わせます。
  • プリンターの位置 有線でプリンターとパソコンを繋いでいる場合には、パソコンの近くにプリンター用のコンセントも必要です。無線でつないでいる場合には、プリンターを置く部屋のプリンターを置く場所にコンセントをつけます。

キッチンのスイッチとコンセントのチェックポイント

 

 

 

 

 

 

 

  • 冷蔵庫と調理家電の位置 キッチンでは電気を使う調理器具が多いので、使用する調理器具の数に合わせて、位置と数を決めます。

玄関・階段・廊下のスイッチとコンセントのチェックポイント

  • 階段のタイプ 階段は、家の中での事故がおこりやすい場所です。その為、夜間でも安全に階段が上り下りできるような照明が必要です。直線階段、かね折れ階段など、階段のタイプに合わせて、階段の下と上、踊り場などに面する壁の適切な場所と足元にコンセントをつけます。
  • 生活動線 帰宅した時に照明をつけやすいスイッチの位置を、夜中にトイレに行くときに自動的に点灯する照明に合わせてコンセントの位置を決めます。

洗面所のスイッチとコンセントのチェックポイント

  • 洗濯機や乾燥機を置く場合 洗濯機、乾燥機を置く位置に合わせます。
  • 洗面台についているコンセントの数が足りない場合 ドライヤーやヘアアイロンなどが使いやすい位置に必要な数のコンセントをつけます。
Works(株)ホープスの建築実例

コンセントやスイッチの種類

コンセントや照明のスイッチには様々なタイプがあります。照明のある場所や、コンセントの用途に応じて適切なタイプを選ぶことが、暮らしやすさに繋がります。

  • 玄関、廊下、階段には人感センサーのついたスイッチ、又は3路スイッチ
    人感センサーのついたスイッチは、帰宅時に子供を抱いていたり、荷物で両手がふさがったりしていても、気配を察して自動的に点灯し、離れると自動的に消灯します。3路スイッチは2か所で照明のオンオフができるので、階段を上る前につけ、上ったら消す、玄関でつけ、リビングに着いたら消すというような使い方ができます。
  • トイレには自動換気も同時にできるスイッチ
    昼間は換気だけ、夜は照明と換気が自動的に作動、設定によっては夜中のトイレで眠気が覚めないよう明るさを抑えることもできます。
  • リビング・洗面所にはカバーが閉じるコンセント付き照明スイッチ
    掃除機やアイロンのコードは、使う時に差し込み、使用後は取り外します。その為、足元につけることが多いのですが、カバーが閉じるコンセント付き照明スイッチであれば、もっと高い位置に設置できます。普段は照明スイッチ、掃除機やアイロンのコードを差し込むときはカバーを開けて、コンセントとして使います。リビングでは見た目がすっきりし、洗面所では水はねを防ぎます。
  • リビングや寝室には調光スイッチ
    明るさの調節ができるスイッチです。寝室やリビングなど、シチュエーションに合わせて光量を変えられます。
  • 寝室にはリモコンスイッチ
    普段は壁につけて、スイッチとして使い、就寝前には取り外し、手元に置くと、ベッドの中から消灯できます。
  • 浴室、玄関にはタイマースイッチ
    設定時間に合わせて、自動的にオン、オフが切り替わるスイッチです。浴室の換気扇の消し忘れを防いだり、夕方になると留守をしていても自動的に玄関灯が点いたりします。玄関の自動点灯スイッチは防犯にも役立ちます。
  • リビングにはマルチメディアコンセント
    インターネット、テレビ、電話、電気が全てまとめられているコンセントです。このコンセントをつけておくと、家の中の無線LAN環境をごちゃごちゃした配線なしで構成できます。
  • 玄関には一括操作スイッチ
    ひとつのスイッチで家の中の他の照明もオフにできるスイッチです。出かける際に、他の部屋の灯りの消し忘れを防げます。
Works(株)ホープスの建築実例

家の間取りが決まったら、コンセントの位置やスイッチのタイプを決めなくてはなりません。

  • 家具の大きさと配置
  • インターネット、電話、テレビの接続方法
  • 生活動線

この3つのポイントを押さえて、適切なタイプのスイッチやコンセントを適切な位置に必要な数だけ設置できる配線計画を作ることが暮らしやすさに繋がります。

家族構成やライフスタイルによって使い勝手の良いコンセントやスイッチは変わってきます。反対に考えると、どんなに優れた間取りになっていても、コンセントやスイッチに位置が悪ければ、暮しにくい家になってしまいます。

間取りを図面で見た段階で、家具や家電の配置まで具体的に考える作業は大変だと思います。しかし、これから何十年も住み続ける家を暮しやすい家にする為です。ぜひ、使いやすいコンセントとスイッチがある家を実現してください。

HOPEsの狭小住宅への思い

 

 

 

 

 

 

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。
根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

Works(株)ホープスの建築実例

狭小住宅の創り方コラム 一覧へ

著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

関連記事

注文住宅で後悔しがちなコンセントと照明スイッチの位置|狭小住宅の創り方コラム|清野廣道の家づくり 深イイ話

家づくり中には、どうしても間取りや外観、内装に、夢中になってしまいます。その為、盲点になってしまいがちな部分が、コンセントと照明スイッチの位置です。どちらも、暮らし始めてから、不便を感じれば、位置を変えたり、増設したりで […]

建売住宅とはどんな家?|狭小住宅の創り方コラム|清野廣道の家づくり 深イイ話

東京で家づくりをする家族にとって、土地探しは第一の難関と言っても良いでしょう。価格が高額である上に、自分たちの希望する立地条件に当てはまる空き地が見つかりにくいからです。ある程度予算に余裕があったとしても、土地探しには時 […]

10坪~20坪の敷地に建てる東京の狭小住宅 地形別建築実例|狭小住宅の創り方コラム|清野廣道の家づくり 深イイ話

目次 狭小旗竿地の家 間口が狭く奥行きの長い変形狭小地の家 段差のある狭小地に建つ家 三角形の変形狭小地に建つ家 子育てを機に、賃貸住宅から、戸建て住宅に移り住みたいと計画されるご夫婦は少なくありません。ただ、東京から離 […]

狭小住宅の洗面所は洗濯室にしておくべき?|狭小住宅の創り方コラム|清野廣道の家づくり 深イイ話

目次 洗面所と家事の関係 洗濯室としても使う洗面所を使いやすくするポイント 洗面所を洗濯室としても使う場合の注意点 狭小住宅では、床面積に制限があるので、洗面所やトイレ、浴室は後回しになってしまいがちです。しかし、狭小住 […]

狭小ガレージハウスの魅力|狭小住宅の創り方コラム|清野廣道の家づくり 深イイ話

目次 ガレージハウスの魅力 狭小ガレージハウスを造る際に注意するべきポイント   狭小地に建つ住宅では、家族の居住スペースを確保するため、建ぺい率ギリギリまで建築面積を広げるケースがほとんどです。その結果、敷地 […]

Owner’s Voice施主さま対談
ホープスで実際に家をつくられた施主さまの家づくりの思い出をご紹介します。
施主さま対談をみる
お問い合わせはこちら
Homeへ