都心部の狭小敷地に建てる住宅は、家族の人数や暮らし方によっては、2階建てでは十分な居住面積が確保できないケースが少なくありません。一般的に狭小住宅は10坪から15坪の建坪の家を指します。4人家族で狭小住宅に住まう場合、都市型の住宅での理想の居住面積である95㎡ (30坪弱)を満たそうとすれば、2階建て、又は3階建てにしなくてはなりません。

さらに、狭小敷地では、敷地内に駐車スペースを作れない場合も多く、家の中にガレージを組み込もうとすれば、居住面積が圧迫されてしまいます。また、二世帯住宅にする場合には、各世帯のプライバシーを確保する為には、縦にそれぞれのゾーンを分ける方法が効果的です。そのようなことを考え合わせると、狭小敷地に建つ住宅を暮らしやすい家にする為には、3階建てが理想的な選択と考えられます。

ただし、3階建てを住み心地良い家にする為には、居住面積を確保するだけでは足りません。間取りを工夫して居住環境を良くしなくてはなりません。そして間取りが工夫された家の安全性を担保する住宅性能が必要です。間取りの工夫とそれに見あう住宅性能が暮らしやすい家を実現します。

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3階建ての狭小住宅の価格と外観の関係

基本的に狭小敷地に住宅を建てる場合には、郊外の戸建て住宅を建てる場合より、建築費が嵩みます。建築費が嵩んでしまう要素はいくつかあります。具体的には、住宅の性能を高性能にする為にかかる費用、地盤を改良する為の費用、建築中にかかる費用などがあげられます。その為、狭小住宅では、価格を抑えるために、外観デザインをできるだけシンプルにします。

住宅の性能を上げるためにかかる費用

  • 耐震性 3階建ての住宅は、居住環境を確保する為に、数々の設計の手法が取り入れられます。それらの手法は、日当たりや風通しを良くすると同時に、耐震性を低下させる一面も持っています。ビルトインガレージを取り入れる場合には、さらに高い耐震性が必要です。その為、3階建ての狭小住宅には、一般的な間口の広い2階建ての住宅よりも高い耐震性が求められます。
  • 断熱性 3階建ての住宅は、居住環境を確保する為に、数々の設計の手法が取り入れられます。それらの手法は、日当たりや風通しを良くすると同時に、断熱性を低下させる一面も持っています。その為、3階建ての狭小住宅には、一般的な1階と2階がきっちりと区切られている住宅や各居室が完全に独立している住宅よりも高い断熱性が求められます。
  • 防音性 狭小敷地では、隣家との距離が近い、交通量の多い道路に面している、周辺に商業施設があるといった環境に置かれているケースが良くあります。そのような環境の中で、静かな暮らしを維持する為には、高い防音性が求められます。
  • 防火性 敷地が防火地域、準防火地域に指定されている場合には、耐火建築物、又は準耐火建築物の基準を満たす為の仕様にしなくてはなりません。耐火建築物は、火災が起きたとしても、その被害が周辺に拡がらない為の措置が施されている建物のことです。具体的には、鉄筋コンクリート造であること、外壁の開口部に網入りガラスなどの防火設備が設置されていることなどが定められています。準耐火建築物とは耐火建築物の構造に準じた耐火性能にした建物のことです。定められた耐火性能を保持していれば、木造の戸建て住宅であっても、準耐火建築物として認められます。ただ、その基準を満たす為には、建築費が嵩んでしまいます。

地盤を改良する為の費用
2階建ての家であっても、地盤改良は必要ですが、3階建ての場合、2階建てよりも建物が重くなるので、地盤改良の費用が嵩みます。地盤改良には様々な方法があり、土地の質に合わせて適切な方法が取られますが、その方法と、地盤改良する深さによって費用が変わってきます。したがって、土地の質によって地盤改良費は変わるわけですが、同じ質の土地に建てた場合、2階建ての費用より3階建ての費用の方が嵩みます。

建築中にかかる費用
道路や周辺の住宅との位置関係にもよりますが、建築中によけいな手間がかかることが多いのです。建築に必要な資材を搬入する大型車が敷地のすぐそばまで進入できない、資材を搬入しても置き場所を確保できない為、近所に資材置き場を借りなくてはならない、一般的な足場が組めず、クレーンなどの特殊な方法を取らなくてはならないといった問題が発生してしまうことがあるからです。

狭小住宅の外観と価格の関係
さまざまな事情によって、どうしても建築費が嵩んでしまう狭小住宅では、2つの理由によって、その多くが総3階建てという外観デザインの家です。理由の一つは、居住面積をできる限り多くとる為です。せっかく3階建てにしても、2階を1階より小さく、3階を2階より小さくすれば、居住面積は狭まってしまいます。

もう一つの理由は建築費を倹約する為です。総2階建て、総3階建てとは、すべての階の面積が同じで、下屋がないデザインです。家の建築費は、庇や屋根の面が多い、L字型やコの字型のような形状である、凹凸が多いなど、凝ったデザインになればなるほど嵩みます。四角で凹凸のない箱のようなシンプルなデザインの総二階建ては、建築費が抑えられます。

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3階建ての狭小住宅を暮らしやすくする間取りの工夫

間取りの工夫には、主に室内環境を整えるための工夫と、生活しやすい環境を調えるための工夫があげられます。

室内環境を整えるための工夫
狭小敷地に建てる3階建ての家は、間口が狭く、奥ゆきのある縦に細長い形状になるケースがほとんどです。周辺には、住宅やマンション、ビルなどが建ち並んでいるので、光と風が取り込みにくい環境です。その為、快適で健康的な生活をする為に、不可欠な要素である日当たりと風通しを良くする為の間取りが取り入れられます。

  • 吹き抜け 1階から3階までを縦に繋ぐ空間です。窓や中庭との組み合わせで光と風をたっぷり取りいれることができ、狭さによる圧迫感を無くして、開放的な空間を作ります。ただし、断熱性が十分ではない家に吹き抜けを取り入れてしまうと、冷暖房が効率よく働かなくなります。その結果、冬寒く、夏暑い家になってしまいます。
  • スキップフロア 1階と2階、2階と3階の間に中2階、中3階を作り、段差によって区切りをつける設計の手法です。部屋を細かく区切らないので、床面積が有効に使えることに加えて、段差によってできるデッドスペースは、収納として活用できます。間仕切壁がない分、光と風が家の奥まで届く一方、吹き抜けと同じように、冷暖房の効率は低下します。その為、スキップフロアにする場合も、高い断熱性が求められます。

生活しやすい環境を調えるための工夫
3階建てでは、家事負担が増える、玄関から3階の居室までの距離が遠いなど、家族の生活度線が暮らしにくさに繋がる恐れがあります。その為、家族の暮らし方に合わせた間取りを工夫しなくてはなりません。

  • 収納スペースとリビングの位置 家族は主にリビングで過ごすという家庭では、家族で使える収納スペースを玄関やリビングに作っておくとリビングがすっきりします。子供部屋や寝室が3階にある場合、帰宅後、自分の部屋まで荷物を持っていくのがめんどうになるからです。その結果、バッグや上着でリビングが散らかってしまいます。ファミリークローゼットがあれば、帰宅後、スムーズに荷物が片付けられます。
  • リビング・ダイニング・キッチンの位置 家族の食事をする時間帯がバラバラである、二世帯住宅であるというような場合、リビング・ダイニング・キッチンの位置によっては、帰宅が遅い家族が他の家族の睡眠を妨げてしまう恐れがあります。リビング・ダイニング・キッチンの位置が、早く寝る子供や、親世代の寝室の真上や真下にならないようにしなくてはなりません。
  • バルコニーと洗濯機の位置 3階にバルコニーがあり、1階に洗濯機があると、毎日の洗濯の家事負担が大きくなってしまいます。バルコニーの近くに洗濯機の設置場所を作る、水回りを2階、又は3階にする、1階に水回りを作る場合は、洗面所などに洗濯物を干すスペースを作るなどの工夫が必要です。
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3階建ての狭小住宅の安全を確保する耐震性能

狭小敷地に3階建ての住宅を建てる場合、吹き抜けやスキップフロアなどを取り入れて、日当たりと風通しを確保します。庭に駐車スペースがとれない場合には、インナーガレージを作ることもあります。これらの設計の手法はすべて、高い耐震性がなくては安全が担保できない手法です。

その為、狭小住宅では、通常の住宅よりも高い耐震性が求められます。吹き抜けやインナーガレージなどの広い空間を実現し、なおかつ確実な安全性を維持しなくてはならないからです。木造住宅で広い空間を持つ家を建てる場合には、SE構法という建築法で建てる家が安心です。SE構法とは、自由度の高い空間と優れた耐震性能を兼ね備えた最先端の木構造技術です。

HOPEsの狭小住宅への思い

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。
根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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