家を建てることを検討し始めた時、多くの人は依頼先としてハウスメーカーを候補に挙げるのではないでしょうか?テレビコマーシャルや雑誌の広告でなじみがある、モデルハウスで実際の家を見学できる、問い合わせ先がすぐわかるなど、身近に感じられるからでしょう。

最も暮らしやすい家、満足感が永久に続く家は、自分たち家族の為だけに建てられた家、自分たち家族のライフスタイルに合わせて設計された家です。果たしてハウスメーカーだけを唯一の選択肢として検討する家づくり計画が、完璧に家族に調和する家の実現に結び付くものでしょうか?

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ハウスメーカーの特性

ハウスメーカーと工務店の違いを項目ごとに考えてみましょう。

長期間のお付き合いができるのはどっち?
多くの人がハウスメーカーに感じるのは、有名であることの安心感ではないでしょうか?家は、長年に渡って住み続ける場所です。その為、住宅を建てる側にとっては、自分たちがその家に住み続ける限り、お付き合いをしたいと考えていることと思います。家のメンテナンスやリフォーム、ちょっとした修理など、家の手入れを任せられるからです。

ところが、途中で建築を依頼した会社がなくなってしまえば、お付き合いは続けられなくなってしまいます。それどころか、建築途中で倒産してしまう恐れさえないとは言えないのです。それを考えると、有名なハウスメーカーなら100年以上なくならないという安心感です。
しかし、実際に建築後も密な付き合いを続けられるのは、ハウスメーカーではなく、工務店です。家を建てた会社は、設計図や電気の配線図など全て持っているので、住宅の点検や修理、リフォームを安心して任せられます。

規格住宅であるハウスメーカーの企画している建築プランは、法改正に伴って耐震基準が変更されると、数十年前に建てた法改正前の家はリフォームしてもらえなくなる恐れがあります。例えば、将来二世帯に増築できるように建てた家があったとします。ところが、二世帯住宅にするまでの期間には地震などにより建築基準法が改正されることがあります。すると、建てた時には法の求める基準を満たしている耐震性能であっても、改正後は満たしていないことになってしまうことがあります。その結果、二世帯にリフォームしてもらえなくなってしまうというようなケースがあるのです。

ハウスメーカーにリフォームはできなくなりましたと告げられた場合、地域の工務店にリフォームを依頼してもハウスメーカーでは独自の建材を使っている為、引き受けてもらえないこともあります。もちろん、工務店で建築した家であれば、設計の融通性があるので、法改正による基準を満たす二世帯住宅への新しいプランを作ることができます。規格型の住宅を建てた場合には、法改正があると、会社はあるけれども、建築時に予定していたようなお付き合いはできなかったということになってしまう恐れがあるのです。

自分たち家族に完璧に寄り添った家が建つのはどっち?
ハウスメーカーの家は、規格型住宅です。自社や関連会社で作った建材を使うことに加えて、基本的な間取りのひな型があります。外観のデザイン、建具の種類、間取りなどは、その制限の中から選ぶことになるので、柔軟性や自由度が高いとは言えません。特に変形の狭小敷地での建築は、引き受けてもらえないこともあります。

家族のライフスタイルというものは、それぞれの家族によって異なります。同じ家族構成であっても、働き手の仕事の時間、子育てや教育に対する考え方、家族のコミュニケーションのあり方など、同じであることはあり得ません。セミオーダーであっても平均的な家族を基に作られているプランなので、完璧に自分たち家族にぴったりする家にはなりえないのです。
工務店での注文住宅の場合には、何もないところから設計プランが作られます。依頼する側の要望を聞きつつ、その要望に対して専門家としてのアドバイスをするということを繰り返して、その家族にとって最適な設計が完成します。

特に狭小地である場合には、限られた面積の中で、家族が居心地よく、快適に暮らせる家にする為には、優れた設計力が求められます。工務店の中には、ハウスメーカーの下請けをしている工務店から、デザイン性や設計力の高い工務店まで様々あります。狭小敷地での住宅建築に充分なノウハウを持ち、狭小住宅特有の設計を支える技術力のある工務店が、満足できる狭小住宅を完成させます。

同じ価格ならどっちが充実した家になる?
大手ハウスメーカーでは、自社や関連会社で生産した建材や住宅設備機器を使うことによって、建材にかかる費用を抑えています。にもかかわらず、高価格である理由は、莫大な広告宣伝費です。人々が安心を感じる「有名」であり続ける為の資金です。また、モデルハウスの維持にも多くの資金が使われています。建ち上がった家を体験できる、足を運びやすいなど、「利便性」を消費者に提供する為の資金です。日本全国の万人に向けて使われているこれらの費用は、個々の住宅の建築費用に含まれています。

工務店では、そのような莫大な費用を広告宣伝には使いません。したがって同じ建築価格であるならば、その分でより住宅のグレードを高める為に使えます。反対に、同じグレードの家であるならば、その分の建築費が抑えられることになります。

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狭小住宅建築に求められること

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狭小住宅では、居住面積と居住環境を確保する為に、通常の戸建ての家より特殊な設計をします。吹き抜けや大開口、ビルトインガレージなど、どれも耐震性を揺るがす恐れのあるものです。その為、狭小住宅には高い耐震性が求められます。
RC造の住宅であれば、高い耐震性が確保できますが、住み心地を考えると、木造住宅に住みたいと考える人が多いのではないでしょうか?また、狭小地の場合、道路との関係によってはRC造の住宅は建築できない場合もあります。では木造建築で高い耐震性を確保するにはどうしたらよいのでしょうか?

それを解決するのが重量木骨の家です。重量木骨の家とはSE構法という建築方法で建築された家のことです。SE構法は、化学的な根拠に基づいた構造計算による耐震性の高い構法です。具体的にはRC造のようなラーメン構造の家で、通常の木造建築では耐震性が確保できないような大空間を実現できます。

狭小住宅では日当たりを確保し、狭さによる圧迫感を無くすために吹き抜けや大開口が採用されます。このことによって空間は縦に拡がり、2階と3階の床面積が減ります。また、居住面積を確保する為、風通しと日当たりを良くする為にはスキップフロアが採用されます。このことにより空間は横に拡がり、間仕切壁が減ります。その結果、木造建築の家では、耐震性が低下してしまう恐れがあるのです。

SE構法はそのような開放的な空間と高い耐震性を同時に実現させることができます。大手ハウスメーカーの狭小住宅には、耐震性を高める為、鉄骨造が多く採用されています。耐震性は確かに高まりますが、柱の位置の制限など、設計の自由度はSE構法に比べてはるかに低いという現実があります。また、鉄骨造の家には、熱伝導率の高い鉄によって、室内環境が損なわれやすいという難点もあります。

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どんな家に住みたいですか?

理想の家とはどんな家でしょうか?基本は家族全員が居心地よく快適に暮らせることと、どんなに大きな地震が来ても揺るがない安全な家であることです。でもそれだけで満足ですか?

帰宅する度に我が家を見て幸せを感じる、洗練された室内の雰囲気を楽しむといったデザイン性の高さも、生活の質に大きく影響します。特に、狭小住宅の場合、門から玄関までの緩やかなアプローチに季節の草花が咲き、窓を開ければ海や山の美しい景観が拡がるといった環境は望めません。我が家に対する満足感を高める為には、それを補うだけの住宅の外観や内装の美しさが求められます。

HOPEsの狭小住宅への思い

 

 

 

 

 

 

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。
根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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