狭小住宅に住もうとしているからは、子供部屋をどのように確保すれば良いのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか?

家族全員が集まり憩うためのリビングはもちろんのこと、家族一人一人がプライベートなスペースを持つことには大きな意味があります。お子さんの成長にとっても、子供部屋を確保することによって一人で集中して勉強する時間を作ることができるため、健全な勉強環境を確保するという観点からも重要です。

この記事では、狭小住宅において子供部屋をどのように考えていけば良いのか、解説していきます。

そもそも子供部屋は何故必要?


「家族で団らんする時間を大切にしたいから、子供部屋は不要」という方も中にはいらっしゃるかもしれません。もちろん親子が同じ空間を共有し、色々なコミュニケーションを交わす場を設けることはとても大切です。

しかしながら、やはり子供にとっては「自分だけの部屋」を必要とする瞬間が必ずあると考えます。子供部屋のメリットを挙げてみましょう。

勉強などに集中できる


子供部屋が不要という考え方の方の中には、「リビングで勉強させているから、一人で勉強させることはない」と考えている方もらっしゃるかもしれません。

もちろんお子さんがまだ小学校低学年など、年齢的にまだまだそこまで突き詰めた勉強が必要ではない場合にはこの考え方も妥当と言えます。

しかし、中学受験や高校受験、そして最終的には大学受験を考えるようになると、いつまでもリビングで家族と一緒に勉強させることが妥当と言えるでしょうか?

ある程度のレベルの中学や高校、大学に進学しようと考えるなら、まとまった勉強を集中して行う必要が必ず発生します。その時、果たして家族共用のスペースで勉強させることが、お子さんの学力向上につながるでしょうか?

どうしても家族の会話やその他の雑音が耳について、勉強に集中できないかもしれません。

このように、お子さんの将来的な進学プランなども考えながら、勉強部屋の要否については慎重に検討する必要があると言えるでしょう。

一人になって勉強することで、「自分で能動的に勉強する」という姿勢を養うことができます。

また、「リビングでは家族と休む」「勉強部屋では集中して学習する」というルールを明確にしておくと、生活にメリハリが生まれて、だらだらと過ごすということが格段に減ることが予想されます。

友達を部屋に呼びやすい


小学校入学時くらいから、お子さんは放課後や休日に友達と遊ぶ機会も増えてくることでしょう。

自分だけの子供部屋を確保しておくことで、友達を呼びやすいというメリットがあります。

そうした部屋が全くなく、仮に友達を読んだとしても家の人が同じ空間にいるとなると、せっかく家に遊びに来た友達にとっても遠慮してしまいがちです。

お子さんだけのプライベートスペースを確保しておくことによって、家の人にも気兼ねなく友達を読んで遊ぶことができます。

そのことにより、友達と円滑にコミュニケーションをとり、友達を大切にする姿勢を養うこともできるのです。

Works(株)ホープスの建築実例

プライバシーを確保できる


「子供のことならなんでも把握しておきたい」と思うのが一種の親心ですが、お子さんにとっては、そうした親の気遣いや心配が窮屈に感じてしまうことも多いようです。

特に中学校入学後から高校生になるまでの「思春期」と呼ばれる多感な時期では、親にはなかなか話せないようなことも出てくると思われます。

もちろん全てを隠し過ぎてしまうというのも問題ですが、ある程度の隠し事は致し方のないことです。

子供部屋を確保してあげることによって、お子さんのプライバシーをしっかりと守ってあげてください。

お子さんが子供から大人に成長する過程の中で、家族の目から少し離れて一息つける場所は必要です。

また、こうしたプライバシーを守るスペースを確保してあげることによって、お子さん自身を尊重するということにも繋がることだと考えます。

お子さんの荷物の収納場所ができる


お子さんの生長に伴って、多くの衣類やおもちゃ、勉強道具などの荷物が年々増えてきます。

そうした増え続ける荷物を収納する場所として、子供部屋を活用することができます。

衣類や勉強道具など、お子さんに関連するものは子供部屋で管理するようにすると、お子さんにとっても「自分の物は自分で管理する」という自立心が芽生えるきっかけにもなります。

特に狭小住宅においては、絶対的な敷地面積の狭さに起因して収納スペースが不足する懸念もあります。

子供部屋の確保は、お子さん自身が過ごすスペースを確保するのと同時に収納スペースを確保することにも繋がるのです。

実際の施工例に見る、子供部屋に使えるアイデア集

ここでは、当社が実際に手掛けた狭小住宅の建築実例をご紹介します。

当社は、狭小住宅の建築を最も得意とするハウスメーカーとして、限られたスペースを有効活用するためのテクニックのノウハウを保有しており、ここで紹介する実例にも、そうしたアイデアのエッセンスが詰まっています。

「子供部屋をどのようにデザインしたら良いのかわからない」という方はぜひ参考にしてみてくださいね。

ロフトは狭いスペースを広く見せる


ロフトを導入することで、狭いスペースを立体的に使うことができます。

ベッドなどをロフトに上げて置いたり、収納スペースとしてロフトを使うのもアリでしょう。

狭小住宅においては、このようにスペースを有効活用する技が必要になってきます。

屋根裏を子供部屋兼収納スペースに


屋根裏のスペースを子供部屋として活用する方法もあります。

とにかく使えるスペースは全て有効活用し、無駄なスペースがない様に心がけることが、こうしたスペースを「見つける」ことにも繋がります。

おしゃれなに荷物置き


インテリアと収納を兼ねたおしゃれな荷物置きです。

カバンや帽子などの他、ちょっとした小物や本なども置けて実用的です。

勉強机の横に配置したいですね。

窓際の机は好アイデア


勉強机をわざわざ購入しなくとも、写真のように窓際に作り付けの机を配置する方法もあります。

このスペースはただ机としてだけではなく、荷物置き場など幅広い用途で使用できるため、お子さんの成長に合わせて様々な使い方ができます。

用途が一つではなく、何通りも選べるというのが、末永くその家で住み続けていくために必要な要素なのかもしれません。

子供部屋にはどのくらいの広さが必要?

「狭小住宅だから、あまり広いスペースは確保できない」

「子供が友達を読んで遊ぶような子供部屋だと、広いスペースが必要なのでは?」

などという心配をされている方もいるでしょう。しかし、子供部屋に関してはそこまで広大なスペースを確保する必要はなさそうです。

実は、子供部屋で最低限必要な机や椅子、ベッドなどを収納するためのスペースは、最大でも6畳で十分です。もちろん狭小住宅の場合は6畳でもやや広いかもしれませんので、4畳半程度でも何ら問題はありません

逆に8畳や10畳などの部屋を確保すると、掃除や後片付けが非常に手間になるケースもあります。

居住環境が昔と比べて良くなってきたとはいえ、大学生向けの賃貸マンションでも6畳や4畳半の部屋はまだまだ一般的です。体がまだまだ小さなお子さんのための子供部屋は、6畳や4畳半でも十分すぎる広さと言えます。

どうしても「狭い」と感じるなら、家具の配置やレイアウトを工夫するなどして、スペースの有効活用に努めましょう。

狭小住宅を建てる中で必須になってくるのは、「もともと狭いスペースを以下に工夫して、広さを感じながら生活できるのか」という点です。ここの部分を疎かにしてしまうと、後々ものが溢れて生活ができなくなってしまう可能性だってあるのです。

Works(株)ホープスの建築実例

HOPEsの家づくりに対するこだわりとは?


HOPEsでは、非常に施主様のこだわりをいかに家づくりの中で表現し、家族の絆を感じて頂くことができるのか、という点について常に考え、これまでにも多くのお客様に家づくりを通じた幸せをご提供し続けてきました。

子供部屋の在り方について考える時に欠かしてはならないのは、「お子さんの成長過程や家族の将来像をしっかりとイメージする」という視点だと思います。

お子さんは今はまだまだ成長途上でも、日々成長し、いずれは大人になっていきます。

大人に成長していく大切な過程のうちの大部分を家で家族と過ごすわけですから、お子さんにとってベストな環境を提供してあげるのが親としての務めなのかもしれません。

家作りを検討されているなら、今一度立ち止まって、家族の将来像や「どうなっていきたいか」ということを具体的にイメージしてみませんか?

それを考えることによって、家族全員にとって過ごしやすく、快適で豊かな生活を手に入れることが可能になるのだと考えます。

「子供部屋をどのように考えるのか」というのは、「家族の将来像を考えること」と同義です。

HOPEsのスタッフは、単におしゃれでかっこいい家をデザインするだけではなく、お客様の人生設計にも寄り添い、末永く幸せな生活を送るためのサポートをさせて頂きます。

HOPEsの建築実例はコチラから

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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